相模原入れ歯相談センタ― センタ―長 舘 信昭

目次

「入れ歯相談会」続けて15年

舘院長と共に患者様にお話しさせていただいているのは、近藤義歯研究所の近藤技工士さんです!さすが、入れ歯のプロ中のプロだけあって説明も大変わかりやすいと好評をいただいております(●´∀`)b

ちなみに今回の相談会から既に治療を開始された方もいらっしゃいます(´∀`●)
相談会以外でも お困りの事がございましたら いつでも お話をお伺いさせて頂けますのでお気軽に お声掛けくださいね(o˘◡˘o)

※上記は2019年のひまわり歯科ブログに載っていた「入れ歯相談会の様子」です。

入れ歯相談会はどれくらい前からやっているんですか?

およそ15年前ですね。

相談会って他の医院さんもやっているのでしょうか?

あまり聞いたことがありません。
当院としては近藤義歯研究所という入れ歯専門の歯科技工所(歯科医院での治療に使う、入れ歯・かぶせ物などを作るところ)とやっていく中で、入れ歯に関しては救える人が多いだろうという自信のもとに、「困っている方がいるなら責任をもって良くなるための治療をしたい」と思って「相談会」というアンテナを立てました。
悩んでいる患者さんを待っていてもしょうがないので「気付いてくれる人が1人でもいればいいかな」と思い、入れ歯相談会を始めました。
入れ歯は難しいんです、圧倒的に。
技術以外にもいろいろな要素がある・・・そういう意味でも手を挙げて「入れ歯に自信がある」という先生もなかなかいないので、敢えてそこをうちは手を挙げた、ということですね。

「入れ歯が苦手」という先生は多い、という話を聞いたことがあります。

歯科医師も「学校であまり習っていない」というのが一つ。
「教える人がいない」というのも一つ。
あと、歯科技工士(歯科技工物を作る国家資格を持った人)さんも同じなんですね。
教科書レベルでしか習っていないし、普通は技工士さんが患者さんには会えない=いい/悪いの評価をされづらい・知りづらい中でやっているので、かなりアバウトな治療になっているんですね。

患者サイドからすると、なにそれ?って、話です・・・。

入れ歯に関しては、特に差が大きい。

歯科医師だけじゃなくて技工士さんも、歯科技工士学校を卒業したては入れ歯に関してぼんやりした感じなんですね。

学校を出た後の技工所の技術力次第なので、世の中には自己流でやっているところが多いんです。
まだ、ラ―メン屋ならいいじゃないですか、自己流でも。
入れ歯だとね、それじゃ困るじゃないですか。

技工所としてのガイドラインがあって、一定以上のクオリティが担保できる技工所はあまりないと思います。

そんな話を聞いたら、患者さんは困っちゃいますよね。

それが患者さんは普通だと思っているので。
TシャツがS・M・Lで着れればOKと思っている人もいる、ある程度の入れ歯でも噛めていれば日常生活を暮らせていけている人が多いんです。
患者さんは「より良いもの」があると気付いてない。
ただ気付かなくてもそれで暮らして問題なければ、僕はそれでもいいと思っています。

でも一定数、それ以下になって「難しい治療」の範疇に入ってしまった人。
S・M・Lの入れ歯では難しいので、手の施しようがなくなります。
「KGKデンチャ―」をすべての人に勧めるというよりも、困っている人に手を差し伸べる手段になればいいと思います。

歯がある人には、歯のない人の気持ちは分からない

「入れ歯難民」と呼ばれる入れ歯で困っている人は、それまで何個入れ歯を作ってきているのでしょうか?

歯科医院も何軒も回りまわって、お金も何百万も使ったりしている患者さんも多いです。
あと、口の中の問題って家族に相談できないんですね。
言っても分からない、夫婦でも歯がある人には歯のない人の気持ちは分からない。
同じ入れ歯でも「俺はぴったり合ってるよ」とか、人によって状況が違うので、比べられないし、難しい。
理解してもらえる人がいないという意味でも「難民」なんですよね。
唯一話せるところが歯医者さんだけと、知識だけあればいいという訳ではないので、歯医者さん選びは難しいのかなと。

技術的なことだけでなくて、「そうなのよ」と気持ちが分かってもらえないと、つらいですよね。

例えば、旦那さんが保険の入れ歯で噛めている場合「お前は100万円以上かかる入れ歯を勧められて、そんなことはないだろう」と言われたときに、その価値感しかないと、それは断られちゃう。
技術的なところは値引きできないから、かわいそうだなと思います。

「俺が大丈夫だから、お前も大丈夫だろう」といわれたら、立つ瀬がないですね。

意外と口の中のことは、家族にも相談しないです。
たから、みんな余計抱え込んでいる。

なので、窓口という意味での「入れ歯相談会」なんです。
入れ歯の話は難しいことが多いので、最近はご家族に理解してもらうために連れてきてくださいと促しています。
ご本人が誰かに話すなら、直接僕たちの話を聞いていただいた方がお互いのためですよね。

確かに、70代の母が病院で聞いてきた事は、1割も伝わらないです。

しかもお金の話が絡んでくるので、それは詐欺だ、とかなるんですよ。
それはもったいないなと思うので、ご家族と最初から一緒に来るか、次に来てもらうでもいいので出来るだけ理解してもらえるようにしています。

「『分かってもらえない』という苦しさ」があるんですね。

ご高齢の方は、仕事をしている人とはまた違う忙しさ・・・介護とか病院とか精神的にも肉体的にも忙しさが付きまとっているので、すぐに自分の治療に入れるかどうか、などの環境要因が多い気がします。

自分のことだけに時間を費やせない。

はい、相談会でお話を聞いていても、夫婦どちらかの介護とかで忙しい。
いろいろな意味で落ち着いてようやく自分の時間が使えるようになってきました、という人もいる、そういうタイミングもあると思うんですね。
来てもらった人には、自分のできる最大限のことをしたいなと思っています。

「入れ歯が長持ちする秘訣」は?

高い買い物なので・・・近藤義歯の技工士さんが「10年症例」とか「増歯(ぞうし:入れ歯を作った後に失った歯の部分を入れ歯の歯で足す技術)」とか、長く入れ歯を使えるようにという話をしていました。

実際に千葉に引っ越した患者さんがつい先日来て、9年目の入れ歯をリベ―ス(ピンクの部分を足す)しながら使っているので、持つのは持つ。

「入れ歯が長持ちする秘訣」は何ですか?

入れ歯と噛み合わせが安定していること・・・噛み合わせが安定していないと、入れ歯が安定しないんです。
「リハビリ入れ歯」をやらないと、変化が大きい人が多いです。
「入れ歯が痛くて何年も使えてない」
「ずいぶん歯がなくなったけど、片方だけで噛んでいた」(不均衡な状態)
「偏って柔らかいものしか食べていない」
など原因で噛めてない人は、口の中に問題を持っている人が多いです。

それを治していくというのは、結構大変ですよね。

「入れ歯って実は難しい」ということを患者さんに理解してもらうのに時間が掛かるので、そこが第一歩なのかなと。
入れ歯は、説明も、治療も、簡単ではない・・・噛み合わせ、型、など要素が多いので、そこの部分がほかの治療とはちょっと違うと思います。
結局は「ゴ―ルの設定」を出来るかできないか、なんです。

入れ歯の「ゴ―ル」は?

入れ歯のゴ―ル?

「あなたのゴ―ルはここです」と設定をすれば、そこに向かっていく「手段」を考える。
入れ歯なのか?インプラントなのか?何なのか?は、その人の状況によって決めればいい話です。
たとえ話をすると、斜面が均されていないところに家を建てる人はいない・・・埋まっているものを取って、地面を整えてからでないと、10年20年持たないですよね。
部分入れ歯で歯を残すのも、家のリフォ―ムと同じです。
どの柱を使うか=歯を使うか、重要ですよね。
それによって耐久性が変わります。
何でも残せばいいというもんじゃないんです。
入れ歯治療は「建物」のたとえ話をすることが多いんですけれど、歯を残す残さない問題、入れ歯の設計に関しても「ゴ―ル」を決めて、どういう風にするかを決めていきます。
だから「入れ歯の設計書」もあるんですよ。(部分入れ歯の場合)
金属床(きんぞくしょう:金属を使用した入れ歯)を入れたら治る、という訳ではないのです。
「ゴ―ル」=「噛める位置を決定してあげる事」、正しい位置を探してあげることが大事。

それが一発で行くかどうかは分からない、今までの悪い癖があると一発ではうまく戻らない。
それを「リハビリ」という表現で、その位置に近づいていくように作りましょう、ということです。
入れ歯は、無意識で行われていることを、意識して戻していかなきゃならないので、患者さんの理解も含めてゆっくりやっていかないと難しいです。

訪問歯科の先生が「この入れ歯はすごい、どこで作ったんですか?」となる入れ歯

そういう説明を聞くと、なるほどそうかと思いますね。
ホ―ムペ―ジを読んでから先生の話を聞くと、腑に落ちるじゃないですか。
ホ―ムペ―ジを読むことが予習の場になってもらえればいいですね。
あとご家族にも知ってほしい・・・詐欺ではない、と思ってもらえるといいかなと思います。

その辺がうまく伝わるといいなと思います。
あと、訪問の患者さんは外来に来られないので、そういった治療をうけられない。
逆に、院内でいい治療を受けていた患者さんは、訪問になっても入れ歯自体は変わらない、訪問の先生も入れ歯が完ぺきに作られているので、触れるところが限られちゃうんです。
(同医療法人でも、訪問と外来の先生は違います)
だから、変に作り直しをすることが少ない。
「痛い」と言ったらそこだけ削ればいいし、ゆるくなったらその部分を調整しても、精密に作られた入れ歯なので大ごとになることが少ないです。

だから、通院出来るうちに入れ歯をちゃんと作っておいた方が、後からの調整や修理がやりやすい。
外来に来られる時より、来られなくなった時のほうが大事。
環境要因として、訪問歯科は限界がある治療なんです。
そういう意味では、今のうちにちゃんと作っておいた方が僕はいいと思いますよと。
「通院できなくなった時に、出来るだけ対応できる入れ歯=いい入れ歯を作っておいたほうが良いですよ」とはお伝えしています。
僕も長年訪問歯科をやっていましたが、問題のある入れ歯は、どこから触っていいか分からないんですよ。

それがKGKデンチャ―だと訪問歯科の先生が「この入れ歯はすごい、どこで作ったんですか?」となる。
すごい入れ歯だな、と大体わかる。

そうなるとやたらめったら触れない、だから痛い場合は痛いところを探して削ってあげる、ゆるくなったら調整すればいい。
だから、できるだけ完ぺきな入れ歯を作ってあげることが大事。

訪問歯科の先生に「うお〜」って言われる入れ歯、いいですね。

大体の先生は分かります、訪問の先生は入れ歯をいっぱい診ているから。

「合う入れ歯」はアゴの骨がやせづらい

合う入れ歯はアゴの骨がやせづらいという認識は合ってますか?

合ってます、変な力が掛からないので。

変な力が入ると、歯ぐきがやせていく?

「動く入れ歯」や、噛み合わせの力が分散せず偏った力が掛かる「合わない入れ歯」は、ガバガバした靴を履いているのと同じです。
続けて合わない靴を履いていると足の形がおかしくなるのと同じように、入れ歯も当たるところの骨が吸収(=アゴがやせる)したり、片方だけで食べているとそこだけが力が掛かるから骨が吸収しやすい。
前歯だけで食べていると、前歯の骨が吸収しちゃって、歯ぐきだけが残るのでブヨブヨする。

歯ぐきがブヨブヨになるという話、聞いたことあります。

適切な入れ歯を入れておかないと、どんどん負のスパイラルになっちゃう。

適切な入れ歯というのは「均等に力が掛かっている」ということですか?

あと「動かない」ということです。
そうすると、歯ぐきの変化が少ないのでそこまで変わらない。
でも、歯ぐきの変化が大きい=吸収すると「難しい入れ歯」になっちゃう。
そうすると、技術が必要になってくる。

アゴが偏った状態、左右のバランスが取れてないアゴでも、KGKデンチャ―だとリハビリ入れ歯でバランスが取れるように作ってくれる?

そうですね。

でも・・・歯ぐきの下の骨は、どうこう出来ないですよね?

歯ぐきの下はどうこう出来ない・・・痛みが取れない人がいるんですよ、それは歯ぐきの問題。
その診断をするのには「CT」を撮らないと分からない、つまり骨の診断が出来ない。
骨の吸収が進んでギザギザしたり針みたいになっている人もいる。
そういう人は、いくら弱い力でも痛いんです。

普通、なんでもないときは、アゴの骨は平らなんですか?

平らです。
「歯を抜く」ということは、「歯の形の穴が開く」んです。
そうするとそこには、必ず「角」があるでしょ?
キレイに平らなるためには、骨の吸収や逆に骨が添加(てんか:やせるの逆、骨が増える)されたりして平らになっていくんです。
ところが、角が残るとすごく尖ったりする。
そういう人たちは、歯ぐきの上から押すと、そこに針があるのと同じだから痛い。
そういうことを判断するためには「CT」を撮らなきゃならないんです。
先日、市民病院で歯ぐきを切ってアゴの骨を平らにしてもらう手術を頼みました。
その人は、いくらいい入れ歯をしても痛みが取れない。
そこは土台の問題なので、入れ歯と骨と両方からやらなきゃならないケ―スもある。
「完璧だ」といわれているKGKデンチャ―でも、土台(歯ぐきの骨)の状況が悪いと外科的な処置をしてもらうことをやり始めています。

「痛い」には理由が必ずある、「気のせい」となった瞬間に見えるものが見えなくなる

骨を削るんですね?

アゴの骨の部分を削ります。
専門医が行うので処置は10分15分で終わります。
86歳の方ですが、治ってしまえばそっちの方が楽です。

80代でもまだまだ元気ですよね。

ゴ―ルの設定は出来ても、やり方が通り一遍でいかない人もいるから、研究している段階です。
ある患者さんは、噛み合わせが強くて粘膜が薄いから、座布団的な役割をするものを入れるとか・・・「せんべい布団」ならば「クッション」があったほうがいいじゃないですか。
そうすると、入れ歯のほうに柔らかい変化のない素材を敷いてあげるとか。
どういう患者さんに対してどういう診断をするかのガイドラインを作っていかないと、入れ歯の調整ばっかり増えちゃう。
完成した入れ歯をなるべく短い時間でゴ―ルに至らせる、それが我々の大事な役割です。

従来通りのやり方だけでなく、こういうやり方もあるとトライしている・・・「舘義歯研究所」じゃないですか。(笑)

そうですね、臨床部門みたいな感じですね。(笑)
実際、ゴ―ルへ持っていくプロセスに「患者さんから勉強させてもらう」という感覚がないとダメなんですよ。
「(患者さんが)『痛い』と思った時に『痛い』と思う理由が必ずある」と思ってあげないと、「気のせい」となった瞬間に見えるものが見えなくなっちゃうんで。

そうなんですよ、「気のせいだ」みたいな言われ方をしてきたという患者さん、多くいらっしゃいました。

必ず何かあると思ってみてあげないと、研究がそこで途切れてしまう。
だから「どうしたらゴ―ルに行くのか」最後まで探しきる
ダメな時には、近藤義歯研究所に頼ったり、お互い知恵を出し合ったりというのはあるけど、そこに取り組んでいかないと難しい症例は出来ない。

「気のせい」と言われている患者さん、どれだけ多いことか。

そうそうそう。それは言っちゃいけない言葉だと思う。
それくらい入れ歯は深いんです、メンタルや経過も診てあげないと。
そういう意味で、時間が掛かる治療になることも多いです。
ここで「無理ですね」といったらこの人、行くところないな、と思うと、こっちもかなり真剣勝負です。
治療に入った以上は責任があるので。

そういう気持ちでいる先生がいるということが、藁をもすがる患者さんの福音になると思います。

機能する入れ歯を作らないとダメですよね。
「噛めることがゴ―ル(目的)というのが大事なんです。

例えば、家を建てても電気や水道が使えない=住めないと意味がないですよね。
目的が「入れ歯/インプラントを入れること」、人生でいうと「大学に入ること」がゴ―ルみたいな。
手段と目的が一緒になっている・・・そこだと思うんですよ。

入れ歯はあくまでも「手段」なんですね。

そうです、「目的」は「噛むこと」です。
その設計のために、治療のゴ―ルを決め、設計図作りをする。

そういってくれる先生を探し求めている人、いっぱいいると思います。

技術を近藤社長が確立してくれたから、必ずそうなると思いながら治療をしています。
入れ歯から入ると「入れ歯以外」の治療もしやすくなる・・・「それ以外」も入れ歯から入っていないと難しいことが多いように思います。

入れ歯の技術の素地がないと出来ない?

入れ歯って後戻りが出来る治療だけど、歯の治療は後戻りが出来ない、だから難しい。
だから入れ歯で噛み合わせが大きく変わっていくのを診て「あ、これでも大丈夫なんだ」と変わっていくことに確信を持てる、大丈夫だ、だからゴ―ルが正しいんだ、と。
それを入れ歯で感じられるからこそ、歯がある方にも対応できるようになる。

入れ歯の技術が「基礎」なんですね。

そうそう、基礎が出来れば応用がラクなんです。
歯がある人は、いろんなことが決まっちゃってるから。

入れ歯と比べて「不確定な要素」が少ないですもんね。

そうなんです。
もちろん、神経とか歯周病の問題はありますけれどね。

患者さんに一言

マイブ―ムは?

腰が痛くなって、今は色々な意味でゆっくりしています。(インタビュ―は2025年12月)
でも、釣りには行ってますよ。(笑)
今年は健康診断に引っかかったので(ポリ―プ)、細かい数字が出る健康診断に行って「自分を知る年」にしました。
周りでも具合悪くなる人が多いので、自分も養生しようと。

医者の不養生ってやつですね。

自分の数字として、自分の事を知るということが大事だなと思っているので、そのうえで足りないものを補うことが必要なんじゃないかと。

患者さんに一言!

入れ歯を、クリニックをあげてやっています。
私の前に優しいスタッフがおりますので、まずスタッフさんと相談していただけたらと思います!